人事異動と昇任
2017年4月の人事異動により、私は今までと全く違う部署への異動を命じられました。
この異動の内示がでたとき、不安よりもうれしかったという気持ちの方が大きかったように記憶しています。
なぜなら、今の仕事に対する不満が大きかったので、異動を希望していたからでした。
当然、全く畑違いの業務をすることに対する不安はありました。
しかし、私を不安にさせた一番の要因は昇任人事でした。
年功序列が一般的な組織の中で、比較的早く昇任しまったのです。
大きな実績があったわけでもなく、自分が希望したわけでもなかったのですが、私の経歴などから新しい部署での中心人物となるよう期待をされてしまったようです。
小心者の私には、この昇任が大きく肩にのしかかってきたのでした。
新規の大型事業
内示が出てから4月までの間に、1時間程度の打ち合わせがありました。
その打ち合わせには、退職予定者も入っており、その人の引き継ぎも兼ねたものでした。
私が配属される前年度から、トップダウンで始まった大きな事業をこの退職予定者が担当していました。
この組織の中で最も重要な事業のひとつである仕事を1時間にも満たない引き継ぎで退職していくということに憤りを感じましたが、それ以上にどうやってこの仕事を自分がやりとげるのかという不安からか、異常に汗が出たのを憶えています。
この事業がうまくいっていないことは、以前から耳にしていましたが、その退職予定者が定年でもないのに急に退職を申し出たことから、逃げたということはすぐに感じ取ることができました。
このような経緯から、私は自分よりも上席の人間が担当していた十数億円の仕事を引き受けることになったのです。
引き継ぎがなかった
4月に入り、新体制でのミーティングの中で初めに上司から伝えられたのは、私の役職上課内の業務をすべて把握するためにすべての担当者の会議に同席せよということでした。
問題となっている大きな事業を担当しつつ、畑違いの部署で他の担当者の業務を掌握するということに強いプレッシャーを感じました。
この部署には、他に人事異動によって他の部署へと異動した人がいました。
私はその人間の仕事も引き受けるようになっていました。その中には、かなり専門的な業務で大型な機器の更新業務もありました。
まずは自組織の仕様を覚えるべく、いろいろと資料や聞き取りをしましたが、何しろ前任者は十数年その仕事をしていたため、しっかりとした資料もなく、ブラックボックスになっていました。
日を改めて、引き継ぎをしてくれるようお願いしましたが、「経験則でやっている仕事だから、口頭で引き継げるものではない」と信じがたい返答が帰ってきました。
機器を管理しているわけなので、資料が無い(作成していない)などは本来ありえないからです。
私は絶望しながらも、器機の保守業者からの聞き取りをまとめていきました。
しかし、専門的過ぎてどうにも理解が追い付かない状況になっていきました。
うつ病を引き起こす一般的な原因
うつ病の原因は、ストレスなどが引き金になる場合もありますが、何も原因がないにもかかわらず起こる場合もあります。
私のうつ病の原因
これまでの私の体験から、私がうつ病になった原因は、「昇任による不安」「大きな仕事に対する恐怖」「引き継ぎがない状態での業務遂行に対する不安と恐怖」だと考えています。
この不安と恐怖のストレスが私にとってのうつ病の原因になったのだと思います。
一般的なうつ病の原因
うつ病の原因はハッキリとしていないとも言われていますが、原因のひとつにストレスがあるというのが一般的です。
そのストレスの要因としては下記のようなものが挙げられます。
- 幼少期の体験
- 親しい人の死亡(家族や恋人)
- 仕事や財産を失う
- 人間関係
- 家庭内不和
- 就職、転職、転勤、結婚、離婚
- 妊娠、育児
多くの原因が納得できるものである一方で、結婚や昇進などのおめでたいことが原因でうつ病になる可能性もあるのですね。