まっすぐ出勤できない
7月の後半になると、朝起きて普通に家を出て、普通に電車に乗ることはできても、職場に近づくにつれ、動悸がしたりすることが増えてきました。
職場の最寄駅から歩いているときは、途中のコンビニでタバコを吸って気持ちを落ち着けてから、「さぁ、行くぞ!!」と覚悟を決めてから再度歩き出さないと職場へ向かうことができなくなりました。
歩くスピードはダラダラと歩く女子高生よりも遅く、不審者のようだったと思います。
それでもそのスピードがそのときの精一杯でした。
ときには、更に職場の喫煙所で座って気持ちを作ってから建物に入っていくような状態でした。
妻からの勧め
普段の会話もロクにせず、子供ともほとんど遊びに行くこともなく、土日は家から出ないという生活が続いていました。
子供達にもイライラしてしまうことも増え、土日は妻が気を使って子どもを連れだしてくれていました。
夏休みには、私抜きで1泊旅行にも行ってもらいました。
とうとう妻から、「休んだ方がいいよ。体がおかしくなってまで行く必要があるの?」
「生活なんてなんとでもなるよ。田舎に引っ越して、今のマンションを貸して家賃収入とふたりでアルバイトでも派遣でもすれば生活はできるよ」
と言われました。
私は、「そんなことできるか。そんな簡単にはいかないだろう。なんとかなるとかいう考え方は俺にはできない。」
「きちんと計算して考えないといけない。俺には生活を守る責任があるんだ。」
かなり強い口調で言ってしまいました。
でも、言ってすぐに申し訳ない気持ちになりました。
妻がどういうつもりで言ってくれているのかはわかっていたので、休職することを考え始めました。
手足のしびれが治まらなかった
初期のころから、手足のしびれが出ていましたが、病院を受診して薬を服用してからも治まることはありませんでした。
それどころか、ひどいときには手が震えていることがありました。
このころは、精神的よりも身体的におかしくなってきていることがとても怖くなってきました。
私は休職することを決意しました。
職場へ診断書を提出
休職するためには、職場へ医師の診断書を提出する必要があります。
診断書は、定例の診察の際に申し出れば作成していただくことができました。
私がお世話になっているクリニックだと、4000円の作成料が必要でした。
それを添付して、組織内の必要な書類を作成して、提出をしました。
降任申請も同時に提出
私は休職することを決意したわけですが、気が楽になったことは間違いありませんでしたが、それよりも職場へかける迷惑と、罪悪感、なによりも自分の無能ぶりに自己嫌悪になってしまいました。
事実、私は職場の配慮に恵まれていたにも関わらず、自分の職責を果たせないばかりか、多大なる迷惑をかけてしまったわけですから、責任を取る必要がありました。
責任以前に、自分には荷が重いポジションだったのです。
私は、人事に降任申請書を提出しました。
休職を迎えるまで
上司へ休職願いを提出すると、職場が大変な時期にも関わらず、了承してくださいました。
合わせて、もしかすると復職することなく退職することもあり得るということも伝えました。
「そんなことを言うな。また一緒にしよう。」
そう言っていただきました。私は職場の人間に恵まれたおかげで、この程度で済んだのかなと思いました。
それから休職するまでの期間は、少ないながらも私が担当していた案件を前倒しして作業したり、引き継ぎ資料の作成に取り掛かりました。
そして、休職の日を迎えたのでした。
ただ、新卒で配属された彼のことが少し心配でした。