【家族の協力必須】うつ病は自分では気づかない

【家族の協力必須】うつ病は自分では気づかない

家族や同僚が心配し始める

 大きな不安を抱えながらも、どうすれば乗り切れるのか、昇任したことによる立場の変化にもどう対応すべきかとにかく毎日を一生懸命に過ごしました。

 このころから、他の部署の人間と顔を合わせると「大変そうだね」「やつれてきていない?」などと言われることが増えました。

また、十分に睡眠をとれていないなどの理由から、妻からも心配されることが増えてきました。

 思い起こせば、数年前の人事異動時にも負担がかかり、そこから慢性的な下痢になって体重が減り続けていました。

体重については、昔からやせ型なので体質の問題だと気にも留めていませんでしたが、下痢についてはもしかして以前からストレスのせいなのかなと疑い始めました。

 仮にストレスによる下痢ならば、私は自分の体調の変化に気付くことができていませんでした。

以前に仕事上のストレスで弱ってしまった先輩からも、声をかけてもらうことが多くなりましたし、周りからも少し様子がおかしく見えていた時期だったのかもしれません。

自分のうつ病を受け入れられない

 周りから心配されるようになって、自分でも様子がおかしいなと思ってはいましたが、病気だとは考えていませんでした。

なぜなら、今までの私は、「うつ病などのメンタル面を病んでしまうのは弱いから」「うつ病などで休職している人はたいていがもともと仕事をしていなかった人」「うつ病は単なる甘え」「負けた人」などと偏見に満ちた考え方をしていました。

 もちろん、今までに真面目で責任感が強い人がうつ病になったり、真っ直ぐな性格の友人が重度のうつ病になったことも知っているので、中には本当に病んでしまった人がいることは知っていました。

しかし、今の組織の中でうつ病を訴える人のほとんどは仮病だったり、大げさなどと思わざるを得ない人が多かったからか、うつ病に関して色眼鏡で見ていました。

 まさか自分がそのような病になるとも考えていませんでしたし、そんなわけがないという気持ちでした。

実際に辛い思いをしていても、自分に対して前述のような「甘え」とか「負けた」とか思われたくはないし、やり遂げなければならないと考えていました。

私のポストは決して特異なものではなく、組織の中ではごく普通の職責なのだから、ここでできないのは自分が無能であることを認めてしまうことになる。

だから、「今の状況は決してうつ病などではない。」
そう考えずにはいられない状況でした。

妻から受診を勧められる

 仕事から帰宅しても、ろくに会話に入ろうともせず、むしろ面倒そうな態度で、時には子供達に必要以上に怒ってしまうような状態が続いていました。

 休日は家から出ることはほとんどなく、たばこを買うために自宅から50mほどのコンビニへ行くことくらいしか外出することはなくなりました。

 もともとインドア派なタイプではありましたが、これほどまでに外出する気が起きないことはありませんでした。

人事異動前は、毎日のようにしていたオンラインゲームもこのころには全くしようとも思いませんでした。

 私のそんな状況を察して、週末は妻が子供達を連れて出かけてくれるようになりました。

 そして、ある日妻から、「病院に行ってみた方が良くない?」と言われましたが、即答で「病気ではないし、そんな病院に行くなんてはずかしい」と答えました。

 実際に、今までの職場人生で最も苦境に立たされている自覚はありましたが、それは病気ではなく、乗り越えなければならない困難なだけであると考えていました。

それから同じような過ごし方が続いたあと、また、妻から「近くの病院をリストアップしてみた。いくつか電話してみたけど、なかなか予約はとれないみたい。そもそも新規の患者を受け付けできる余裕がないという病院もあった」と伝えられました。

 妻がそこまで動いていることに驚き、それだけの心配をかけていたのかと反省し、受診することを決意したのでした。